21世紀の資源とは: THE FUTURE 「価値づくり」の未来

公開日: 2017年7月17日月曜日 ソーシャル マーケティング

セミナーを受けてきました。講師の藤川先生は一橋大学の大学院でサービス・マネジメントを教えている方で、デザインの対象が広がっている中、これからを考えていくうえでは避けて通れない大事なことを色々と教えてもらいました。クローズドなプログラムなので内容にはあまり触れませんが、受けて考えたことや思い浮かんだことをまとめたいと思います。



THE FUTURE 「価値づくり」の未来
藤川佳則 
運営:ダイヤモンド社


概要だけ簡単にまとめると、経営学などを業種に偏らずより本質的に追求した『サービス・マネジメント』に関する導入偏で、車を持たないUberやコンテンツを制作しないfacebookなど、自社が資産をまったく持たないビジネスが出てきており、従来の理論やフレームワークでは語れなくなってきているこの状況は何が起きているのか、についてサービスやプラットフォームの視点から説明したプログラムです。ということがセミナーの案内として、ここに丁寧に書かれています。(リンクを引用した方が早かった...。)

SNS、シェアリングエコノミー、プラットフォームなど最近語られるような言葉について、分かっていたようなつもりになっていたけど、このセミナーを聞いて、全然理解が浅かったんだな、というのが率直な感想です。仕組みや1ユーザーとしての事象は体験を通じたり本を読んだりしているけど、そのビジネスや仕組みがどれだけのインパクトを与えていて、それが現在進行形で起こっていることに、僕自身が気づいていなかったのだと思います。

藤川先生は、今まで持っていたメガネを外して別の新しいメガネに変えて物事を見ることで、知らない世界が見えるようになるといっていました。今までのメガネとはモノ売りのビジネス視点です。30代以上の日本に住む人たちはモノ売りの時代を過ごして教育を受けていたので、相当強いバイアスのメガネがかかっています。で、新しいメガネとはサービス視点であったりプラットフォームの視点です。これが分かっているようで、実際は自分もほとんどの物事を新しいメガネでは見ていなかったような気がします。

例えば、ある特徴的な製品を見たとき、それ単体は変わっているのでニッチ商品だからあまり多くの数は売れないというのがモノ売りのメガネ。でも、それを使うことによって、別のある事象が起こり、それに価値を見出す機関と連携することで別の市場が生まれ、そこに集まる企業を相手にビジネスを行うことで、関わる人の規模の桁が変わる、といったことが起こります。(具体事例を出さないと何を言ってるのか全然わからないかもですが)そういったことがUberやfacebookはもちろん、日本でもサービス起点で取組んでいる会社は展開をしています。



規模の違いというのが自分にとっての一番の感想です。John Maedaが年1回出して毎年話題になっている『Design in Tech Report』の2017年ではComputing DesignやShaping Voiceといったキーワードが出てきています。その中で、デザイナーの対象とするユーザーはデジタルによって億単位にまで拡大しているということです。(P8または38-39あたり)製品のデザインだけに着目すると数は多くても数十万ですが(iPhoneは別格)それの百倍以上の億単位がいまデザイナーが見るべき対象ユーザーということです。このセミナーを受けてやっと実感を持ってその意味が分かるようになりました。

20世紀の資源は石油や鋼材などでした。対して21世紀の新しい資源は人です。この資源は世界中にたくさんあって減らずに使い続けられるし、うまく使えば自発的によい方向に働いてもくれます。でも一方でこの資源は意思を持っているので、不当に使おうとすると反発するし、意義のないものには働いてくれません。この資源とどうすれば一緒に関わっていけるのか、21世紀のビジネスに問われているのはこういった視点であることに気づけたのが、今回の収穫であり衝撃でもありました。
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