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2017年10月22日日曜日

前後で勉強してみたInnovation City Forum 2017:関連書籍8冊

先日、参加したInnovation City Forum 2017は、全般的にディスカッションの内容が高度すぎて理解できないことがありました。グラレコをするうえで前提知識を知ることは必要だと思ったので、オンライン記事や書籍に目を通しましたが、話を聞いたうえでその人の真意を理解するために改めて本を読んでみたので内容を紹介します。



Innovation City Forum パネリストの本8冊

①早発する都市×竹中平蔵(経済学者)
この本は2017年の本で複数人の共著によるもので、参加したフォーラムにも強く関係性があるのだと思います。本全体では東京という都市全体をどう捉えるかという論点から、竹中先生はIndustry4.0と合わせて、経済と文化を重視しており、経済学者の視点としては意外でしたが、技術によってグローバル化やフラット化が加速される時代だからこそ、より大切になるということは、クリエイティブに関わる人にとっては追い風としてしっかり理解しておく必要があると思いました。

②経済ってそういうことだったのか会議×竹中平蔵(経済学者)
2000年当時の佐藤雅彦さんとの対談本ですが、専門家の視点ではなく素人から見た説明がとても分かりやすい内容でした。経済学の語源はギリシア語で『オイコノミコス』=共同体のあり方、という意味らしく、金儲けの追求ではなく全体視点の学問であるという視点で世の中の事象を語っていることが興味深いです。

③したたかな生命×北野宏明(科学者)
ものごとを抽象的に捉えて、強さと弱さを科学的に探究した内容です。医学的な内容は専門的で難しかったですが、日常的な事例に置き換えた話がたくさん分かりやすく紹介されています。フォーラムの話でもありましたが、1つをいじると他のことも作用されるので個々の事象でコントロールはできない、今の時代に大切なことは全体のシステムやデザインで捉える視点、という話にも通じる内容でした。

④学校をつくろう!×工藤和美(建築家)
建築集団シーラカンスの工藤さんが設計した博多小学校のお話しです。フォーラムの中では「学校は学ぶ場所だけでなく、第二の家でもある」ということをお話ししていましたが、ハードとしての機能ではなくソフトとして建物や空間が何ができるかというこを本書で実践した内容です。口でいうのはできたとしても、それを実現させる(コンセプトの具現化からコストといった現実的な障壁まで)ために、理屈だけでないクリエイティブの力を改めて感じさせる内容であるといえます。



⑤なぜ川崎モデルは成功したのか×藤沢久美(実業家・評論家)
神奈川県川崎市が取組んでいる、産官連携の取組みを紹介している内容です。この本で特質すべきは、市の若い人達が現場視点で自分事化して、上からの反対があっても自分が正しいと思って動いていることにつきます。何か構造的な課題に対して『秘策』を求める人は多いと思いますが、実際には現場では愚直に実績を積み重ねていくことが大切で、そういった活動は簡単には崩れない強さがあることを体感できる例だと思いました。

⑥官僚のレトリック×原英史(政治研究家)
政治の話なので…それ自体の感想はあまり書けませんが、官僚と十把ひとからげにするのではなく、支援すべき相手と対立すべき相手を見極めることの必要性が印象的でした。

⑦日本成長戦略論40際定年制×柳川範之(経済学者)
40歳で一度定年にして、スキルの再構築できる機会と長く働けるための仕組みを提言する内容です。前に紹介したLIFE SHIFTにも通じる点が多くありますが、こちらはより日本の会社にフォーカスした施策なので、想像がしやすい内容だと思いました。確かにこれが実現できると自分もキャリアデザインが考えやすくなるなと前向きに思える内容でした。

⑧東大柳川ゼミで経済と人生を学ぶ×柳川範之(経済学者)
社会人になってから自分の判断基準をどう持つか、ということを考えるのに役立つ内容でした。目先の分かりやすいことに惑わされずに、自分の軸をもって意思を強く、でも柔軟性をもって、ということが分かりやすかったです。