見方を変えるトレーニング: プチ哲学

公開日: 2017年7月14日金曜日 クリエイティブ ソーシャル ヒト

デザインストラテジーの取組みは、ものごとを多角的に捉えて新しい機会領域を見つけていくことが1つのスキルですが、そのためには自分自身が色んな経験をしていたり、色々な考え方ができることの大切さを痛感します。そんな経緯から最近、社会学や哲学から歴史や宗教観など、いわゆる人文的な分野に興味を持っています。ですが前に社会学の本を読んで少しくじけそうになったので、哲学はプチな内容から入ってみました。



プチ哲学
佐藤雅彦
マガジンハウス 2000.06


興味は持てど、どれも難しそうな本が並ぶ中、哲学という難しいものごとも佐藤雅彦さんの手にかかると、こんなに親しみがあり入りやすく、多角的に考えるきっかけになれるものだと思えるものか、と感心した本です。クリエイティブ業に関わるデザイナーやリサーチャー人はユーザー側の視点から考えることが必要なので、概念論から入るよりも親しみやすい日常から発想できる本はとてもありがたいです。

内容を紹介すると、例えば、枠組みを変えてみることで人の行為が悪く見えたりよく見えるといった捉え方や、弱みをうまく使うことで強みに変えることができるようになる、といったものが30ほど紹介されていますが、どれも分かりやすく、なるほどと思えるものばかりです。絵は佐藤さんが書いていたものをほとんどピックアップして描き映しただけのものですが、哲学に絵がでてくることって考えてみるとあまりなかったと思います。


忙しかったり理詰めな思考になっていると、すぐに結論づけたり言葉の意味を方程式的に解釈してしまいがちですが、世の中の出来事は色々な考え方をすることができるはずなので、引いてみたり、逆に考えてみたり、構造化してみたりするような思考の試行錯誤が必要なのかと思います。僕はせっかちなので、ついつい理詰め的な方によりがちなので、ちょっと気を付けて深く考えるきっかけをこの本で得ることができました。その時に絵や図を描いて整理しておくと、自分なりの考えが身に着けられるかも?と思いました。

ちなみに佐藤さんは他でも経済のこととか数学的な視点とかからも本を出していて、それがまたどれも面白い内容で。本の領域でも人を引き付けること、なんでこんなにできるんだろう。ほんと、すごい...。



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