天才達が見てる世界は遠かった:Innovation City Forum 2017

公開日: 2017年10月21日土曜日 クリエイティブ ソーシャル テクノロジー デザイン ビジネス 建築

六本木アカデミーヒルズで行われたフォーラムのレポートです。が、今回はただのレポートではなく、実は一部スタッフとしても参加してきました。いつも僕が書いているノートのメモを、グラフィックレコーディングというかたちで、ブレインストーミング・セッションの記録に仲間といっしょに関わってきました。グラフィックレコーディング(通称グラレコ)は仕事の中で何度か書いたことがありますが、外に対して書いたのは始めてのことでした。しかも登壇者は最先端の人たちばかり。大丈夫なんだろうか…と不安になりながらも、いつものように自分なりに感じたことをビジュアル化してみました。



Innovation City Forum
日時:2017年10月12日~14日
場所:六本木アカデミーヒルズ
主催:森記念財団都市戦略研究所、森美術館、アカデミーヒルズ

このフォーラム、Innovation City Forumは「都市とライフスタイルの未来を描く」をテーマに2012年から取り組まれているフォーラムで、化学・技術・アート・デザイン・都市開発・経済など、様々な視点から第一線で取組まれている人を招いて議論を行うフォーラムです。登壇者の名前を見るだけでも圧倒されます。これほどの人たちが一同に集まる機会はなかなかないのではないでしょうか。

その中で僕は、3つのセッションに参加してきました。そのうちグラレコに関わったのは、3つ目に紹介するブレインストーミングのセッションです。

1.アート&サイエンスセッション

科学技術の進化によって実現性が見えてくる、人間の機能拡張や共生をテーマにしたセッションです。MITメディアラボ所長の伊藤穣一さんをはじめ、そうそうたるメンバー(省略するのが恐れ多いくらい一人ひとりが世界最先端の人たちばかりです)がプレゼンテーションとディスカッションを行います。個人的にとても興味のある内容でしたが…でしたが、パネラーの方の視点と発言が先を行き過ぎていて、凡人の僕には一部しか理解できなかった、というのが正直な感想です。メモを見返してみてもなかなか意味不明な内容が多いです。細胞レベルと宇宙がつながる共生って人にとってどういうことなのとか、虚無僧とIoTはどういう関係だったんだろうとか…。



その中で何とか把握できたことが2つあります。1つは、このような大きなテーマは単体の事象ではなく複合的に絡み合ったシステムやデザインといった全体観の単位で捉える必要があり、そこには理詰めの統制だけでなくアート的な抽象認識が大切になるということ。もう1つは、その統制と抽象の程よいバランスが大事になるとしたとき、日本的な思考は有効なのではないか、ということです。いま進んでいる技術にブレーキをかけることは不可能(かつ無意味)である一方、技術を過信しすぎるとディストピアな世界になってしまう恐れもある中、バランスとどう扱うか、ということが大切ではないかと感じました。







2.TOKYO2035都市戦略シンポジウム

ここは前半しか聞けなかったのですが、はじめに東京の2035年の未来像の紹介があったうえで、各国の社会学者が都市と東京の考え方についてのディスカッションを行うという場でした。(ちなみに世界都市ランキングが10月に発表され、東京は3位でした)未来の東京をアニメで表現していたのが印象的でしたが、そこで出てくるシーンはドローンやロボット等が活用されている姿でした。2017年時点での未来予測としては堅実な印象でしたが、10年後は今の人が考えもしない視点があるのではないか?と感じた人は多かったのではないでしょうか。未来予測のアプローチは一般的に技術が強い影響をもっていますが、これからより大事になるのはアートやコミュニティなど、インビジブルでソフト的な領域のような気がします。そしてそれらは、まだ十分な議論や検討がされていないのだとも感じたので、未来を考えていくうえで外せない視点なのだと再認識しました。

3.イノベーディブ シティ ブレインストーミング

そしてこちらがグラレコで関わったセッションです。竹中平蔵氏がオーガナイザーとなって、都市・働き方・シェアリングエコノミー・AIとアートについて、第一線の人たちが意見を言い合う場でした。部屋が分かれていたので全部は把握できていませんが、最後の振り返りとして↓のようなまとめを書いてみました。



印象的だったのは、第四次産業革命によって、人々の生活が大きく変わりそうだという考えもあるけど、100年近くたっても人はジーンズを履き続けているように、案外と意識のなかでは大きな変化はないのでは?という考えが、潜在的にあるのではということでした。AIが進化を続けて、社会や労働などは大きく変わることは間違いないけど、そうなったときに人は何をしたいと思うのかが想像できていない、ということが今直面している状況なのだと思います。なので、このような問いは今後も常に考えながら技術の進化と向き合ってく必要があるといえそうです。

というのが全体の感想で、やっぱりテキストに整理してみても、僕にはまだ何だかわからないことだらけですが、このような意識を持っておくことで、今後何かがシフトしたり加速したときに、アンテナの感度が高まり考えを深めることができるようになる気がします。あせらず長く頭の中に置いておこうと思います。

・・・

ちなみにグラレコとしての活動はこちらのサイトになります。グラレコだけではなく、グラフィックを起点とした触媒として、様々な活動を行っています。どうぞよろしくお願いします。

実はちょっと前から、Graphic Catalyst Biotopeという活動グループに入れていただき、グラレコはその流れでの取組みです。ホームページはこちらになりますので、ご興味のある方はのぞいてみてください。次はもう少し、自分の頭でも理解しやすいテーマに関わって、少しずつステップアップしていければな~と思いました。
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