社会は複雑で難しい:社会学の考え方

公開日: 2017年5月18日木曜日 ソーシャル リサーチ

こちらもTakram佐々木さんのおすすめ本のうちの1冊です。社会をどのように捉えて目の前に起こっている様々な事象を観るか、ということに向き合うために、社会学に対する理解は確かに必要だといえます。僕のことに関していうと、これまで学校で社会学って受けたことあったような...という程度なので、あらためて知ろうと思いました。思いました...が...難しい。。。



社会学の考え方
ジグムント・バウマン+ティム・メイ 奥井智之 訳
筑摩書房 2016.08


3回くらい読み通してみました。というのも文体が難しく、目次もどういった意図で構成されているのか見当もつかなかったので、まず1回目は全体構成を把握するだけの概要読み、2回目はざっと読んで雰囲気をつかむ、3回目は各章の意図を踏まえたうえでちゃんと読む、というプロセスを踏まえました。ですが、まだ頭の中に何も入っていないような感じです。僕の脳みそが足りないのかもしれませんが、本書の中でも書かれているように、社会学は科学アプローチとは異なるから、本にするとき秩序だった論理的な構成を組むことが性質的に合わないのだと、僕の中で理解します。

とりあえず目次を書きます。(困ったときによく使う手法)

序 章 社会学とは何か
第1章 自由と依存
第2章 わたしたちとかれら
第3章 コミュニティと組織
第4章 権力と選択
第5章 贈与と交換
第6章 身体の諸相
第7章 秩序と混乱
第8章 自然と文化
第9章 テクノロジーとライフスタイル
第10章 社会学的思考


あくまで僕なりに感じたレベルですが、1章は自身を中心に見たときにその相手や環境がどう左右するか、という割とミクロな視点から考察がはじまり、2章3章になっていくにつれ、人と人が関わるうえで集団・コミュニティ・組織といった中での影響について述べていきます。7章からはマクロな視点が強くなり、社会全体の法則として秩序がどう関係していくかという話になり、最後にこういった考察を踏まえて社会学はどうあるべきかという、自問自答で締めくくるという構成になっています。なのでこの本自体は、社会学とはこうですよと教えるものではなく、実社会を社会学的視点で多角的に分析してみたことで何が見えてくるか?という読者に考えさせる内容なのかと思います。



と、本の構成だけを解説しても実がない感じがするので内容も書きます。

まず全体を通して考えさえられたことです。自分以外の何かと関わるものにはすべて2面性があり、例えば安心と不安・自由と依存・仲間と敵・秩序と混乱といったものが介在します。で人は自分を守ったり優位に立つためにどこかで区分けをする傾向があります。それは結果として国家・信仰・ムラ・コミュニティといったような概念や仕組みができあがり、その区分けには差別や排除といった要素も少なからず入っていることがあります。つまり、僕らは日々の生活のうえで、ごく自然に偏見をもって物事を捉えたり、線引きすることで存在を認識する傾向があるので、世の中を曇りないレンズで観るというのは何と難しいことなんだろうということに気づきました。

もう1つ面白いと思った点ですが、本書の中では、混乱は不確実性、秩序は合理性や効率性というように位置付けています。この言葉はイノベーションとか未来を描くとかいった取組みで必ず出てくるような言葉ですが、秩序はこれまでに書いた、理解できないものや相容れないものを線引きして規則をつくるような行いに相当します。そう考えると、何か新しいことを考えるときは混乱が生まれて、同時にそれを抑制しようとする秩序の動きが出てくるので、破壊的イノベーションとは混乱を生み、その後に成熟したり効率化する秩序の流れも必然だと理解できます。この法則性を認識することで、社会はいまどの状態にあるのか、自分は今なにを求めているのかといったことが整理できそうです

と僕なりに慣れない考察を書いてみたら、なんだか何がいいたいのかよくわからない文章になっちゃいましたが、この本を読んだ影響だということにでもしておいてください。無理に背伸びしない方がいいですね。ただ、社会学に対して入り口となる視点を持つことはできるようになれたのかな?と前向きに捉えておきます。
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