夢は大きく(+丁寧に):ぼくらの仮説が世界をつくる

公開日: 2017年6月13日火曜日 ソーシャル ヒト

マンガが大好きです。割と雑食でジャンル問わず読むほうですが、最近はグルメマンガだったり勉強になるようなものが好きだったりします。で、ためになるようなマンガがこの10年くらいで増えているような気がしますが、間違いなくこの流れに影響を与えた、仕掛け人の1人が佐渡島さんです。



ぼくらの仮説が世界をつくる
佐渡島 庸平
ダイヤモンド社 2015.12


宇宙兄弟やドラゴン桜などをプロデュースした(という表現が適切かは不明)ことで知られている、CORK(コルク)を立ち上げた人です。このCORKが関わったマンガや小説はどれも話題になっていますが、どうやったら読者の心に響く作品を生みだることができるのか、ということが書かれている本です。

本書のタイトルにもなっていますが、一番のポイントは『大胆な仮説を設定すること』です。先行き不透明な時代で世界がどうなるかを予測することはあまり意味がなく、そのときに大切なのは「世界はこうなるはず」という仮説を立てていくことで、1つの新しい世界をつくることができるのというのが、本書が一番のメッセージになっています。

大事なのは、どうやって仮説の組み立てるかです。情報を集めてそこから仮説を立てるのは前例主義で新しいものは生まれません。そうではなく、まず仮説を先に立てて、それを立証するための情報を見つけていくという、逆の発想を持たないといけません。このあたり、心意義だけでなく思考方法も備えていないと、気持ちが空回りするだけになってしまうので、テクニックとして抑えておきたいところです。

仮説は1人の気づきや強い想いが大切である一方、その仮説は誰も知らないので、周りから賛同を得られないことが当然というか前提になります。裏を返すと全員が賛同する仮説は想定範囲で大したことがないから、議論や反論に立ち向かう取組みが必然になります。これは結構、信念がないと貫き通せないことなので、ポジティブシンキングな心構えが必要です。周りから否定されても、この仮説の価値に気づいているのは自分だけだ(ラッキー)と思えるようにならないとだめなようです。


仮説を考えるのも大事だけど、一方で仮説を裏付ける情報を構築する丁寧さも同じくらい大事です。多くの人はどちらかは得意だけど、1人で両方を組み立てられるのはなかなか難しいことで、だからこそこういった会社に注目が集まるのだと思います。僕はデザイナーであるけど、同時にリサーチャーでもあると自認しているので、両方できなければいけないのですが、果たしてできているんだろうか?たぶんバランスはそこそこ取れている気はするけど、両方の鋭さについては怪しいかも。

このスキルを身に着けるための一番の方法は、実際に自分で企画を立ててマンガを描いてみることなんですが.....時間があればやってみたいです。(一度、描いてみようと思って挫折しました)いや、マンガって本当にすごいと思いますよ。こういったことを考えながら、それを架空の世界にしてストーリーで伝えていく。マンガは総合芸術です。
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