雰囲気だけで伝えない図表の使い方:頭がよくなる「図解思考」の技術

公開日: 2017年6月4日日曜日 コミュニケーション メソッド

本のタイトルがちょっと引っかかりますが(別に頭がよくなりたいわけではなく)、、、図の使い方をちゃんと知っておくことは大切だと思います。でも実際どこかで習ったことがあるかというと、僕を含めてほとんど社会人は、独学か他の人の資料を見ながら覚えた、というような状況ではないでしょうか。ちゃんと学んで、ついでにちょっと頭がよくなれればラッキーと思い読んでみました。




頭がよくなる「図解思考」の技術
永田 豊志
中経出版 (2014.01)


図を扱う本なので、内容は図が中心でサクサクっと読める内容です。加えてとてもシンプルなカタチで図の関係性を体系化されているので、ビジュアル的にスッと頭の中に入ってきます。例えば「図は大きく分けると6つしかない」というのを知っていると、何十とある中から、その時々で最適な図の用い方が相対的に考えることができます。6つとは次の分類です。

1.ツリー型
2.マトリクス型
3.フロー型
4.サテライト型
5.サイクル型
6.グラフ型


例えばベン図というものがありますが、これは2つ以上の事象があるとき互いが重なり合う領域が使うときに用いますが、これは6つの中でいうと4に当たります。という感じで基本を抑えていることができていれば、もしそれがすごいグラフィカルな表現であっても、基本を外していないことによって、ビジュアルデザインの表現の幅が広げられます。これはデザイナーにとってとても心強いことです。(よくデザイナーはいい加減な表現をしがちなので)

他には図のカタチ・線・矢印についても言及していますが、これもそれぞれの意味性を知っておくことは大切です。デザイナーにとってこれらの違いはすべて『雰囲気』だけだったりしますが、例えばエンジニアにとってひし形は、フローチャートにおける分岐を意味する記号であったりします。なのでこれらの作法を知ってる上で表現できると、誤解を受けない伝え方ができたり、みんなの頭の中に共通の認識像をつくることができます


Takramの佐々木さんも矢印の使い方1つとっても慎重に扱うといっていましたが、正しく伝えるという意図とはもう1つ別の理由として、変な使い方をしていると信頼性を損ねてしまう、という相手の感情を誘発する可能性があることがいえます。例えば、デザインという言葉を相手が『見た目』だけの意味合いで説明していたら、僕はきっと「この人とは深い会話ができないな」と思ってしまうはずです。それと同じようなことが図を用いるときにも当てはまるのであれば、こういった表現を扱うリサーチャーやストラテジストにとっては、ベーシックであり大切なスキルといえそうです。
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