レコーディングの量と質:Graphic Recorder

公開日: 2017年6月10日土曜日 クリエイティブ メソッド

グラレコを目にする機会が最近増えてきました。はじめて見たときには「すごいな~」と思いつつ、自分でもできるかなあ?と思いながら書いているのが、このブログに載せているメモたちですが、我流で適当に書いているので、作法的なことも知っておこうと思い、読んでみました。



Graphic Recorder 議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書
清水淳子
BNN新社 2017.01


教科書と名乗っている通り、書きとるプロセスや心構え、基本的なルールやレイアウトの考えなど、とってもわかりやすくグラフィカルに書かれています。グラレコの目的をこの2つだとしてしていますが、とっても大事なことだと思います。というのも、僕は書くこと自体が楽しくなって手段と目的をはき違えてしまう、本末転倒的なことをついついやってしまうので。

・対話を活性化させる
・第三者を巻き込む(興味を持たせる)


こんな様に、とっても役立つ本なので、関心ある人はぜひ手に取ってみてもらいたいと思いますが、ここではちょっと真面目に1つの観点について考えてみたいと思います。

表現方法と情報の質について

グラレコはパッと見で興味を持たせて内容が理解できる表現であるため、情報量はかなり絞り込まれています。一方で法律だったり契約が絡むような記録物は、一言一句落とさないようなものになりがちなので、グラレコとは相性が悪い、というか対象によって表現方法は変えるのが望ましいのだと思います。

学生だったころに面白い授業がありました。確か国語でしたが、写真に写っている椅子を、文字だけで伝えるという実験(?)をやりました。椅子自体の見た目は一般的な椅子ですが、これを言葉にするとなると超大変でした。高さは_センチほどで、色は_で、足が何本あってその長さは_で、素材は_で......という説明を延々と書くわけです。その作業がいかに非効率であるか、言い換えると情報伝達の適材適所を知る、ということを体感的に理解できました。


何故こんなエピソードを書いたのかというと、いつも僕は「今回はどのレベルの情報量⇔情報の質に設定すればいいんだろう?」ということを迷っているからです。例えば僕がこのブログで書いているメモは基本的に自分のためで、「そういえば、こういうことが書いてあった」というのを見返せるようにしたいからです。そういった場合、キャッチ―にグラフィカルに書くよりも、細かい情報までメモしておいた方が機能します。でもあまりそれをやり過ぎると、情報が埋もれてしまうし、何よりも見返す気にならなくなるので、やはりある程度は選別したり特徴をつけたりする必要もあります。

それを誰に伝えてどう活用するかによって、グラレコにも表現の幅を持たせておけると、色んな場でニーズが出てくるんだろうなと思いました。例えば会議でも初対面のときはグラフィカル要素を強く、互いに知見が深い人達には詳細をなるべく省かずに、といったように。このブログで書くメモも、自分のために書くメモと人に伝えるためのメモとを意識しながら、いくつか実験的にやってみようかなと思います。

ちなみに、僕の近くにグラレコの達人たちがいます。


スキルの差はもちろんあるんだけれど(こんな風に描けるようになりたい!)、達人のグラレコを見ると僕の記録はずいぶんと理屈っぽいなと思ってしまいます。この本も読んでトレーニングしなければ。


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