アメリカ的分類の55パターン:ビジネスモデルナビゲーター

公開日: 2017年11月25日土曜日 ビジネス マーケティング メソッド

ビジネスモデルのパターンを辞書的に分類した本って、意外とあるようでないものです。なぜかというと、捉え方によってパターンはいくらでもできるし、キレイに分けられるものでもないからだと思います。この本はそんな中で出てきた、ビジネスモデルの全体像を理解するためにはありがたい本です。



ビジネスモデルナビゲーター
著:オリヴァー・ガスマン、カロリン・フレンケンバーガー・ミハエラ・チック
訳:渡辺哲、森田寿
翔泳社 2016.10

この本は本書に加えて付属カードがセットで販売されていて、ビジネスアイデアを実際に考えるときに使うことを想定されているので、ただ学ぶだけではなく実践的な内容になってます。マーケティング先進国であるアメリカの大学が行った研究で内容も新しいので、今の時代に適したビジネスモデルも色々とみられます。



ただ、日本人にとっては少しとっつきにくい点があります。その理由は2つあって、1つはタイトルがキャッチ―な英語なので、項目によってはそれだけを見てもパッとイメージしにくいこと。(例えば、21.Hidden Revenueは別の方法で稼ぐビジネスモデルのことですが、日本人には英語だとちょっとイメージしにくいかも)もう一つは55がアルファベット順の並びで性質上の分類や並び方ではないので、サッと探しにくいことです。

そういう点はあっても、これまで他の本で見られない切り口で取り上げているビジネスモデルもあり、興味深かったです。言われれば、ああ、それあるよねという感じですが、大切なのは自分の引き出しをたくさん持っておくことだと思うので、とりあえず55を暗記しておくといいのかもしれません。面白いと思ったものを少し紹介します。

03.Aikido:相手の強みを弱みに変える(例:The Body Shop)
06.Cash Machine:支払い前に代金を回収する(例:Dell)
14.Experience Selling:雰囲気を売る(例:STARBACKS)
27.Lock-in:切り替え障壁を構築(例:Gillet)

例えばこの中で14.のSTARBACKSはサードプレイスの概念をつくったことを意味しているかと思いますが、ストーリー性やブランドなど、デザイン業界の人にとってみれば当たり前のような考え方を、ビジネスモデルのツールとして捉えるという視点は、ある意味で新鮮です。言い換えると、デザイナーが何気なく取り組んで提案しているスタイルは、もしかするとそれが1つのビジネスモデルになれるかもしれません。そう考えると、ビジネスモデルに親和性を感じられるようになるかもです。
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