梅干しまでデジタルに：Digital Transformation

公開日： 2017年11月22日水曜日 テクノロジー ビジネス

２週間前ですが、今回（も）面白いセミナーを受けてきました。テーマはタイトルの通り、デジタルによって社会やビジネスがどう変わるかという内容です。これだけだと、まあ今の時代そうだよね、という印象ですが、内容がどれも興味深くてすごく濃かったです。デジタルの可能性を真剣に考えるキッカケができたような気がします。

DMNセミナー Digital Transformation
森川博之
2017.11

このセミナーではたくさんの事例を交えた説明だったので、とても分かりやすかったです。例えば自動車業界のデジタル化では、メルセデスベンツは車を売るだけではなく、修理工の車に在庫切れがないよう定期的に工具やパーツを補充するというサービスも行っています。ちなみにこの話を紹介するとき、IT系の人はピンとくるそうですが、製造業の人は反応があまりないそうです。製造業からIT系に移った身としてはよく分かります。

こういった例はあらゆる業界で起こっていますが、その多くは生活に直接関わることは少なく、地味で目立たないものだということです。例えばゴミ箱をデジタル化すると回収率の効率化や環境負荷低減などが行えるけど生活者に何か実感があるものではない、といったサービスがたくさん増えています。それは言い換えると、B2CよりもB2Bの分野で多くの市場が広がっていることなので、デジタルのビジネス機会は生活者の裏側までをも見ていく必要があります。

面白いなと思ったのは、土木や農業など明治時代から取り組まれている、ある意味、成熟しきった業界で何が起こっているかというと、実はそういったところほどデジタル化が進んでいて、まだまだ市場の機会が多くあるということです。大学でもいまは土木を教えている先生うち理系は1/3で、残りの2/3は都市開発などの文系の先生だということです。このことは、技術開発ではなくインフラ活用やサービス化という点でデジタルを活用することに多くの機会があるということを意味しています。

なぜデジタル化がビジネスで重要になるかについても、事例がとても分かりやすかったです。飛行機などの座席予約をするシステムのSABREの持つ時価総額は、あるときを境にアメリカン航空を抜いたそうです。これはなぜかと飛行機単体のサービスに比べて、SABREのデジタルサービスは様々な業種やサービスに展開できるからです。（分かりやすく比較すると飛行機は1:1、予約システムは1:N）

これからデジタル化を取組むうえでいくつかのポイントが説明されていましたが、個人的に特に大切だと思ったのは「すべてを再定義する」という考え方です。航空業界を例にあげると、いま乗客はBoringの機体ではなくJALやANAなど、航空サービス会社で選んでいます。それを自動車業界に置き換えて考えてみると、まだユーザーはBoringを選ぶようにメーカーで選んでいます。ですが今後もこれが続くとは限りません。その構造を破壊するのにデジタル化は大きな力を持っています。

といった内容を踏まえて↓に教えてもらった事例を見ると、とても興味深いです。いくつかは知っていたサービスだけど、デジタルによってどう変わるか？という視点で見ると、全然違った気づきが得られます。特に、鶯宿梅の9年熟成梅干しはすごい、デジタル化を象徴するような例です。

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●鶯宿梅の9年熟成梅干し
お金では買えない代わりに次の行動で買える（データを提供）
・愛で買う：梅干しの想いを1000字で作文
・知恵で買う：魅力的に感じるアイデアを3案考える
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