2017まとめ:2017年に特に印象的だった本やイベント10

公開日: 2017年12月30日土曜日 このブログについて

2017年1月からブログを始めましたが、1年で100個も記事を書くとは思いませんでした。(事実かなり大変でした、来年はもっと減らそうっと…)よく、いつ本読んでるのかと聞かれるのですが、通勤電車の中で集中して読んでるので、時間は意外とそんなにかけてはいません。むしろ書くほうが大変でした。

まずは1年目は、多くの知識を取り入れる・自分なりの考えを整理する・知り合いにデザインストラテジーとは何かを伝える、という3つの基礎固めを目標にしていましたが、1年立ってみてそれなりにできたのではないかと思っています。インプットだけではなく、自分の理解が深まったり、このブログをきっかけに知り合いができたり深い話ができるようになったのは、自分にとって大きな変化です。やってよかったです。かなり駆け抜けた1年だったので振り返りをするため、過去の記事を読み返してみたのですが...

「割と大事なことたくさん書いているのに、ほとんど忘れている!」

ということに気づきました。量を重ねるだけではダメですね。そういった意味で、たまに振り返りをするのは大事ですね。2017年は本当にいい本やイベントに巡り合えたので、絞るのは自分のことながら難しかったのですが、頭の中に記憶を定着させておきたいものとして、10個を選んでみました。

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1.マーケティングってすごい!:USJを劇的に変えたたった1つの考え方

USJをV字回復させたCMOの森岡さん(現在は独立してマーケティング会社を設立)が取組んだマーケティング戦略の本です。それまで僕にとって、マーケティングはデザインと敵対するネガティブな印象が強かったのですが、実は本質的にはどちらもユーザーとサービスをつなげるための取組み、という視点では違いがないことに気づけたのは自分にとって大きな収穫で、これ以降でマーケティングの考えを積極的に取り入れるようになりました。左脳と右脳を自在に行ききできる人の最強さも痛感しました。



2.人を見るというシンプルな大原則:申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。

フレームワークや数値目標などに頼るとろくなことにならない、ということを生々しい現場の経験から語ったコンサルタントの話。今年はビジネス系のメソッドやフレームワークなども多く知りましたが、気を付けないと理論だけでものごとを語るうさん臭い人になってしまいそうなので、ちゃんと目の前の人や現実に向き合ってやらないと、という大切さを教えてくれました。



3.クリエイティブなリサーチの実践方法:CREATIVE KNOWING

Takramのビジネスデザイナー・佐々木さんの教育プログラムです。2017年は佐々木さんと知り合えたことが、自分にとってはストラテジーを深めていく転機となり、デザイナーがビジネス側に越境するためのキッカケや入り口を考えるための基礎ができました。まだまだ道のりは長いですが、よてもよいスタートを切ることができたのではないかと思います。このときの内容を振り返ってみるとだいぶ頭から抜けていたので、もう一回ちゃんとプレゼン内容とメモを読み返さないと。




4.スペキュラティブデザインを語る:Speculative Dialogue #01

日本で起こっているデザイン思考に対する疑問や、デザイナーが本来持っているスキルって何だろう?ということに1つの方向性を考える場ができました。きっかけは本からですが、この本を愛読している人が周りに何人もいたこと、一方で建築的アプローチに詳しい人とがタイミングよくつながり、対話をする場(飲み会)をしたことで、スペキュラティブデザインに対する理解がより深まりました。問いを発するだけでは不十分で、同時に実証していくことや、批判を受け入れるしくみを持つべき、など本だけでは得られない学びがありました。参加してくれたみなさん、ありがとう。(#02はやるんだろうか?)



5.目で聞くコミュニケーションスキル:FBI式人の心を操る技術

あまり周りからの反応は多くなかったのですが、この本は個人的に大当たりです。コミュニケーションの93%は非言語といわれてますが、この本はその93%を声を聴くためのテクニックです。定性リサーチに関わる人は抑えておくべき本だと思います。日常生活の中でも普通に使える内容ですし、読みやすいのでおススメです。



6.21世紀の資源とは: THE FUTURE 「価値づくり」の未来

今年は本当に面白いセミナーに参加することができたのですが、その中でも特に、自分の知らない世界や考え方を教えてくれたのが、藤川先生のこのセミナーです。世の中には毎日のように自分の価値観を変えていくような出来事が起こっているけど、アンテナを立てておかないと情報は引っかからない。アンテナの感度を高めるためには世の中の見方や知識が必要になることも感じました。今年受けたセミナーはどれもケーススタディの紹介が印象的(衝撃的)で、最近は僕も、人に伝えるときは理論よりも事例ベースで紹介するようが効果的かなと思って意識しています。



7.未来は予測するものか?創造するものか?:超予測力

職業柄、〇年先の〇〇を考えるというテーマで取り組むことが多いのですが、正しいやり方があるわけではないし、みんなが手探りで試行錯誤している中、この本が手助けとなります。デザイナーなど感覚的な思考が強い人は、直感は鋭いけれど思い込みが強くなりがち。研究者など論理的な思考が強い人は、客観的な整理は得意だけど統合や発見は苦手。どちらが適しているというわけではなく、この両方をうまく使い分けられることが大切ということです。ここでも右脳と左脳を操れるスキルがポイントになっています。



8.どこよりもユーザーになりきる会社:スノーピーク「好きなことだけ!」を仕事にする経営

デザインとビジネスを考えるうえでお手本にしたいと思える会社です。徹底したユーザー視点で取り組んだり、理屈でなく感動するかで商品開発を行う取組みは、デザインとして見習うべきことです。一方で販売は科学的アプローチで、原理原則やデータを活用したデジタルマーケティングによる顧客エンゲージメントの取組みは、ビジネスとして見習うべきことですです。ここでも感性と理論の2つを両立することがポイントですが、それを事業として実践できているのはすごいことです。たまたまスノーピークの本社を(外側とチラッと見える内側だけですが)見たりお店の店員さんとも会話したことで、文章だけではなく実践としての空気感も少し感じることができました。



9.技術の話ではない、思想の話だ: BLOCK CHAIN REVOLUTION

熱い本です。タイトルの通り、話の論点は「どんな技術か?」ではなく「この技術は世界をどう変えていくのか?」というスケールで語っているところが、他の技術紹介本とは一線を画します。これ以降、最近の新しい技術を取り上げた本では、このような内容が増えてきていると感じます。僕はエンジニアではないので、実現性の話ではなく、人の体験や価値観だったり、あるいは社会をどうよくしていくことができるか、といった視点から捉えて、これまで割と苦手だった技術も積極的に知って実務に役立てたいと思うようになりました。



10.CSVとCSRとは全然ちがう:CSV時代のイノベーション戦略

これは来年も継続して勉強していきたいテーマです。ここ数年起こっている世の中の変化や大きな関心事の1つは、このCSVに集約されていくのではないかと思っています。例えばキーワードを上げてみると、自然環境・新興国の台頭・ミレニアム世代・炎上・起業家、などなど。CSVという言葉が広まるかどうかは関係なく、メガトレンドの波になってくる予感を感じています。



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以上、僕にとって印象的だった10件でした。はじめはごく数人が見てくれるくらいのニッチなブログでしたが(そもそもニッチな内容なので、広く見てくれることはあまり重視していませんが)、続けていくうちに、いろいろな人が記事をシェアしてくれることで、多くの人とのつながりを増やすことができました。ありがとうございます。

来年も継続して更新していくつもりですので、どうぞよろしくお願いします。ただし、はじめにも書いたように100件は大変だったので、2018年は最大50件(月4つ)くらいを目標にしたいと思います。


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