公式を見つけよう:MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣

公開日: 2018年6月27日水曜日 ビジネス

引き続き会計系の本です。(いっこうにスキルアップしないのに懲りないな自分)タイトルにあるように、MBAの知識や英語スキルを時間かけて習得するよりも、決算を読むことのできるコツをつかんだ方が、グローバルやビジネスの実践では役立つよ、ということだそうです。なるほど。確かに僕自身、会社の一番基本となる「会社のお金がどう回っているか」についてはよくわからないまま日々仕事をして、MBAとか英語とか大事だな~って思っていたタイプでしたが、ビジネスを深く考えていくようになると決算の知識を避けたままではいけないなと。



MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣
シバタ オオキ
日経BP社 2017.07

何となくそんな課題意識は持っていたので、会計のことを勉強してみて簿記検定の一番下の資格を取ってみたりはしましたが、正直なところ、いまだに分かるようになったという実感が全然持ててはいないです。

この本では、それらの知識は決算書を作るためのモノだけど、あなたが経理部門でないのなら必要なのは『作るスキル』ではなく『読めるスキル』だと主張しています。またまた、なるほど。もっと早くいってくれればよかったのに、と思えるくらい目から鱗のアドバイスです。で、決算書を読むためのコツを本書では業種事例をベースに紹介してくれています。

全体を通してポイントとなるのは、業種ごとに存在している大原則となる公式があることに気づくこと。例dえばECビジネスの場合、取り扱うものが何であれ、基本的には

・ネット売上 = 取扱高 x テイクレート

という公式があります。仮に1,000円の商品に対して仕入れ値が900円(=テイクレート10%)だとすると、ネット売上は100円になります。これが積み重なって企業の年間売上が決算書として出てきますが、そこには取扱高とテイクレートの割合がどうなっているかを見ることで、業態の特徴や、競合との差を規模感ではなく利益率の観点で比較することができるようになります。もちろん扱っている対象・ステークホルダー・ビジネスモデルなどによって公式は少し変わったり細分化されたりはあるけど、幹となる基本をしっかり把握しておくということが、決算書を読むときの勘所を得る、という観点で大切になってくるようです。これ会計の知識に限らずどんな分野でもそうですよね。その分野で一流の人ほど基礎をしっかりと捉えている感じ。

このような公式が各業態には存在しているようですが、基本の基本となる考え方だと

・売上=単価×ユーザー数

になるみたいです。(この本によると単価は厳密には1ユーザーあたりの売上(ARPU)というようです)すごく簡単すぎて、そんなの分かっているような気になりますが、でも決算書を読むときは目の前の表に圧倒されて、その数字を一個ずつ見ているうちに何だかよくわからなくなることになりがちなので、こういった基本の考えは超大切なんだなと思ってしまいます。ちなみに以前紹介したUSJの本でも公式的に

・売上=単価×回数×ユーザー数×利用率(%)

ということが書かれていました。(確か本の中ではよりブランド認知にフォーカスした内容が言及されていたけど)例えばビールの売上を考えると、1缶200円くらいのビールを大人のうちの何%がその商品を選び年間に何本買うか、によって数値が出てきます。そしてもし売上が不調だったら、どの項目に問題があるか(価格なのか、ユーザーの認知率なのか等)因数分解で見ていくことによって、原因を探ることができるようになります。これができて決算書を読める(数字の感覚がつかめる)ということにつながるのだと思いました。僕にはまだ道のりが長いですが、コツとしては他人の家の家計簿を読むような感覚で、ということです。確かにそんな感じで(悪いことをしているいたずら的な要素もあり)読んでみるとイメージがしやすく入りやすいかもです。



ここで書いていることはごく基本中の基本だけのことで、本書ではより具体的に業種ごとの解説や事例を交えて何がポイントになるかが紹介されています。そしてより大切なのは、本を読んで満足するのではなく、1日15分で決算資料を読む習慣を身に着けることだとか。(ちなみに僕は今のところ読むだけで満足しちゃってる...時間つくらないと)当たり前ですが、自転車に乗るような感覚で、理屈だけでなく実際に触れてみることではじめて身につくものだと思うので、あとはまず読むことの実践あるのみだと思います、僕の場合は。習うより慣れろの精神で。
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